wpa_supplicant を使用して無線 LAN に接続する

2023-09-14

はじめに

wpa_supplicant を使用して無線 LAN に接続する方法について書きます。

Gentoo wiki の wpa_supplicant のページを参考にしました。

wpa_supplicant - Gentoo wiki

前提条件

カーネルの設定でワイヤレスサポートと必要なワイヤレスデバイスドライバーが有効になっていること。
ワイヤレスデバイスドライバーに必要なファームウェアがインストールされていること。
net-misc/dhcpcd と net-wireless/wpa_supplicant がインストールされていること。

設定ファイルの作成

wpa_passphrase コマンドを使用して設定ファイルを作成します。

wpa_passphrase コマンドは、引数で指定された SSID とパスフレーズから、設定ファイル用のネットワークブロックを生成し、標準出力に出力します。パスフレーズの指定を省略した場合は、標準入力からの入力になります。

次の例は、パスフレーズの指定を省略し、標準入力から入力しています。こうすることにより、パスフレーズがコマンドの履歴に保存されなくなります。

user $ wpa_passphrase ssid
# reading passphrase from stdin
passphrase
network={
        ssid="ssid"
        #psk="passphrase"
        psk=2b1d17284c5410ee5eaae7151290e9744af2182b0eb8af20dd4ebb415928f726
}

wpa_passphrase コマンドの標準出力をリダイレクトし、設定ファイルを作成します。

root # wpa_passphrase ssid > /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf

一般ユーザーでコマンドを実行する場合は、sudo コマンドと tee コマンドを組み合わせて使用します。

user $ wpa_passphrase ssid | sudo tee /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf

作成した設定ファイルにはパスフレーズが含まれているため、パーミッションを変更しておきます。

root # chmod 600 /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf

wpa_supplicant の起動

設定ファイルが作成できたら、wpa_supplicant を起動します。

まずは次回以降のシステム起動時に、wpa_supplicant が自動的に起動されるように設定しておきます。

root # rc-update add wpa_supplicant default

次に rc-service コマンドを使用して wpa_supplicant を起動します。

root # rc-service wpa_supplicant start

wpa_supplicant が起動したら、無線 LAN に接続できていることを確認します。

user $ ping -c 3 www.gentoo.org

新しいネットワークの追加

新しいネットワークを追加する方法は以下の通りです。

wpa_passphrase コマンドの標準出力をリダイレクトし、設定ファイルに追記します。

root # wpa_passphrase ssid >> /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf

一般ユーザーでコマンドを実行する場合は、tee コマンドの -a または --append オプションを使用します。

user $ wpa_passphrase ssid | sudo tee -a /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf

wpa_supplicant を再起動して設定ファイルをリロードします。

root # rc-service wpa_supplicant restart